2025年度を最終年度とした「古河電工グループ 中期経営計画2022~2025」(以下、25中計)は、当社グループにとって次の成長フェーズへと飛躍するために、その土台を築く重要な期間となりました。
この間、私たちは資本効率重視の経営へと転換を進めるとともに、事業ポートフォリオ改革、戦略投資、ガバナンス改革をはじめとするESG経営基盤の強化など、将来の成長に向けた経営改革に取り組んできました。光ファイバ・ケーブル事業の再編やデータセンタ関連分野での生産能力増強などを実行し、より付加価値の高い事業・製品群へのシフトを進めてきました。
▍25中計指標・目標と2025年度実績
| 2025年度 目標 | 2025年度 実績 | ||
|---|---|---|---|
| 財務指標 | ROIC(税引後) | 6%以上 | 12.2% |
| ROE | 11%以上 | 19.1% | |
| Net D/E レシオ | 0.8以下 | 0.6 | |
| 自己資本比率 | 35%以上 | 39.1% | |
| 売上高 | 1.1兆円以上 | 1.3兆円 | |
| 営業利益 | 580億円以上 | 639億円 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 370億円以上 | 725億円 | |
| サステナビリティ指標(一部抜粋) | 温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)(2021年度基準) | △18.7% | △43.1% |
| 電力消費量に占める再生可能エネルギー比率 | 30% | 52.2% | |
| 従業員エンゲージメントスコア | 80 | 76 | |
| 管理職層に占める女性比率(単体) | 7.0% | 6.3% | |
| 全リスク領域に対するリスク管理活動フォロー率 | 100% | 100% |
その結果、2025年度は連結営業利益 639億円、ROIC 12.2%、ROE 19.1%と25中計で掲げた財務目標をすべて達成することができました。サステナビリティ関連の目標もおおむね達成し、継続的な課題はありながらも、持続的成長に向けた経営基盤強化は着実に前進したと考えています。
このように、25中計目標を達成できたことは大きな成果です。また、この4年間を通じて経営の質そのものを高めることができた点に、私は大きな意義を感じています。
というのも、当社グループは長年培ってきた確かな技術や多様な事業基盤を有しながら、社会や市場の変化を成長機会として十分に取り込めず、成果を出せない時期がありました。しかし、この25中計期間には、「変化を捉えて成長を生み出せる会社」へと一歩踏み出すことができたと考えています。2025年度は、その進化が目に見える成果として表れました。しかし、これは決してゴールではありません。私は、この先のさらなる成長に向けた出発点だと捉えています。
このたび、当社グループは2030年のありたい姿「古河電工グループ ビジョン2030」(以下、ビジョン2030)の実現に向けて、パーパスを軸とした新たな経営方針を策定し、「ビジョン2030実現に向けた経営方針」として公表しました。事業環境の変化があまりにも速く、固定的な前提条件に基づく計画が短期間で陳腐化する時代背景から、従来の中期経営計画の形式を改めました。
この経営方針では、パーパスを起点に、ビジョン2030の実現に向けて解決すべき6つの経営上の重要課題を特定しました。持続的成長に必要な財務・非財務のテーマを経営上の重要課題として整理し、今後5年間の経営の指針とします。大きな成長機会を確実に取り込むため、データセンタ関連事業※1、再エネ・HVDC※2関連事業、さらに社会課題解決に関わる新規事業に経営資源を集中するとともに、事業・製品ポートフォリオの最適化、労働生産性の向上、人的資本やガバナンス・リスクマネジメントの強化に取り組みます。短期的な業績だけでなく、中長期的な競争力強化を図り、持続的な成長を実現していきます。
※1 データセンタ関連事業には、光ソリューション領域のLightera、情報コンポーネント領域のサーマル・電子部品、ファイテル製品、AT(半導体製造用テープ)、メモリーディスク、銅箔、光電融合デバイスが含まれます。
※2 HVDC: High Voltage Direct Current(高電圧直流送電)