連事業をはじめとする注力分野の成長可能性も、こうした技術・知的財産の蓄積があってこそ生まれています。
そして、これらの無形資産を競争力へと転換する力も不可欠です。前述のように25中計では、市場や事業環境の変化を的確に捉え、成長へと結びつける力を高めてきました。この力は、当社グループが有する人材や技術・知的財産といった無形資産を最適に活かすうえでも重要な基盤となります。さらに、社会課題が複雑化するなか、自社だけで価値を創出できる時代ではありません。こうした無形資産をより大きな価値へとつなげるには、お客様やパートナー企業、大学・研究機関との連携など、ステークホルダーとの共創が不可欠です。多様な人材や技術を結びつけることで、成長への転換を加速していきます。
無形資産は、2030年以降も持続的に成長していくために欠かせない経営基盤です。私は有形資産への投資と変わらぬ重要性を持って、人材や技術・知的財産の強化とその活用により、持続的成長を加速させていきます。
私たちの経営の根底にあるのが、古河電工グループ パーパス「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」です。このパーパスを価値創造の起点として、事業を通じた社会課題の解決により、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。
パーパスの策定から約2年が経過した現在、社内ではその認知・理解は進みましたが、これから重要なのは、従業員がパーパスに共感し、具体的な行動や挑戦につなげることです。企業文化の変革には時間を要しますが、こうした行動変容が組織を変え、その変化が事業の成長や企業価値向上につながると考えています。
また、パーパスを軸とした経営を推進する当社グループにとっては、このパーパスが経営の判断軸となります。これからも経営の意思決定や一人ひとりの行動においてパーパスを体現し、持続的な価値創造を実現していきます。
足元では、当社グループの事業や成長性に対する期待が高まっていると感じています。経営者としては大変ありがたい一方で、私個人としては「好事魔多し」という言葉を常に意識するようにしています。順調に見える時ほど慢心せず、謙虚な姿勢を持ち続けることが重要だと思うからです。
私は、当社グループには大きな可能性があると確信しています。しかし、その可能性を現実の成果へと変えていくのは、これからの実行にほかなりません。変化を恐れず挑戦を続けるとともに、謙虚さを忘れることなく、一歩一歩着実に企業価値の向上に取り組んでいきます。
また、株主還元については、事業成長への投資と財務健全性とのバランスを図りながら、持続的な充実を目指していきます。このたび、配当方針を配当性向基準から株主資本配当率(DOE)3.5%を目途とする方針へ見直しました。今後も安定的かつ継続的な株主還元に努めます。株主・投資家の皆様には、今後とも変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。