―ベストオーナーの視点で見極める
25中計では、資本効率を高めながら成長投資の原資を生み出すため、事業ポートフォリオの見直しを進めてきました。ただ、その判断基準は単に資産効率や収益性だけではありません。その事業を今後も成長させられるのか、必要な資金や人材を継続的に投入できるのかを重視してきました。十分な経営資源を投じることが難しく、他社のもとで大きな成長が期待できるのであれば、ベストオーナーに託すことも選択肢になります。25中計期間中に進めた東京特殊電線(株)や古河電池(株)などの上場子会社の整理も、その考え方に基づくものです。また、製品群単位で競争力や市場性を見極めるとともに、資本効率や成長性の観点からポートフォリオの最適化を進めてきました。CFOとして、限られた経営資源をどこに重点配分するか、どの事業に投資を継続し、どの事業を見直すかを見極めながら、全体最適の観点で資源配分を行ってきました。こうした取組みにより、ポートフォリオを入れ替えながら、当社グループの成長につなげてきました。
事業・製品ポートフォリオを考えるうえで重要なのは、すべてを同じ成長の形で捉えるのではなく、それぞれの特性や事業環境に応じて見極めることです。企業価値を高めるためには、すべてが同じ役割を果たす必要はありません。それぞれの強みを活かしながら、全体として最適なミックスを実現することで、グループ全体の持続的な成長につながります。事業・製品ポートフォリオは固定的なものではなく、市場環境や競争状況の変化を踏まえながら、今後も不断に見直していきます。
25中計では、資本効率を重視した経営を定着させ、成長に向けた土台を築くことができました。その基盤のもと、今後はデータセンタ関連事業を中心とした注力分野への成長投資を進め、中長期的な成長を実現していきます。
また、成長投資、財務規律、株主還元のバランスを図りながら、株主の皆様には安定的に還元していく考えです。その方針を明確にするため、株主還元方針を変更し、株主資本配当率(DOE)を採用しました。株主資本の3.5%を目途とした配当を行っていきます。
そして、当社グループの成長ストーリーを市場の皆様に正しくお伝えし、ご理解いただくこともCFOの重要な役割です。なぜ今投資を行うのか、その投資が将来どのような価値を生み出すのかを丁寧に発信し、対話を重ねながら、長期的な信頼関係を築いていきたいと考えています。